- 「マイクロ法人設立の具体的な手順がわからない」
- 「マイクロ法人を作る前に具体的な手順を知っておきたい」
会社設立サービスの手順通りに進めれば、マイクロ法人は簡単に作れます。
なぜなら、会社設立サービスを使うと具体的な手順をステップ形式で進める事ができます。
全部のステップが終了すると、会社設立が完了します。
僕は実際に会社設立サービスを使ってマイクロ法人を作りました。
税理士の力を借りずに、あっけないくらい簡単に法人成りできました。
この記事では、会社設立サービスを使ってマイクロ法人を作る手順を解説します。
手順の補足説明の他にも、各役所での対応など僕が登記手続きの時にわかりづらかった点なども付け加えています。
会社設立サービスを使ってマイクロ法人を作る具体的な手順がわかる
1) まずは会社設立サービスに無料登録する
マイクロ法人を作る方の主な目的は節約ではないでしょうか。
一般的な会社設立と同様に税理士に依頼しては費用がかかってしまいます。
節約を目的とするマイクロ法人を作る方にとって、会社設立サービスは必須ツールと言っても過言ではありません。
「会社設立サービス自体の説明」と「サービスの比較解説」について、詳しく知りたい方は下記のブログをご覧ください。
2) 「freee会社設立」「マネーフォワード会社設立」の両方でご参考にできる
この記事では、僕が実際にマイクロ法人を作る時に使った「freee会社設立」を参考に手順説明を進めます。
このブログを作るにあたって、「マネーフォワード会社設立」のアカウントを作って、各ステップを進めていったのですが、
手順に関して違いがないので、「freee会社設立」「マネーフォワード会社設立」の両方でご参考にしていただける内容になっています。
加えてもう一点、会社設立の手続きは、設立したら終わりではありません。
設立後にも届出や申請が必要です。
これからの手順説明は「設立前」と「設立後」に分けてお伝えいたします。
説明内容は「株式会社」の手順を案内いたします。
「合同会社」設立の場合は「株式会社」より記入内容や手順が少なくなります。
「株式会社」の手順を説明する事で両方を網羅できる内容になっていると思います。
4) マイクロ法人設立の手順【設立前】
会社の基本事項を元に必要書類を用意します。
用意した書類を法務局に提出したら、法人が登記されます。
必要書類の作成は専門性が高いので、はじめての人が自力でやるのは無理だと思います。
しかし会社設立サービスを利用したら、はじめての人でも必要書類を簡単に用意できます。
4)-1 会社の基本情報の入力
まず初めに会社の基本情報を入力します。
- 法人形態/商号
- 会社の住所
- 連絡先
- 代表取締役
- 出資金(資本金)
- 一株の価額
- 発行可能株式総数
- 株主総会
- 取締役会
- 取締役の任期
- 事業内容
- 決算期
- 公告の方法
- 印鑑証明書
会社設立時に個人の印鑑証明書が必要です。
ちなみに2枚必要なのですが、定款作成時に公証役場で原本のコピーに個人実印と直筆サインで対応してもらうこともできます。
その場合1枚ですみます。
- 会社の印鑑
会社設立時に会社の印鑑が必要です。
また作った印鑑で会社実印の印鑑登録も行います。
会社の印鑑はWebで購入できます。
僕の時は注文してから3日くらいで手元に届きました。
- 印鑑証明書
- 会社の印鑑
会社の基本情報について僕のブログでまとめています。
まだ何も決めていない方はこちらを参考にしてください。
4)-2 定款作成
基本情報を記入したらで定款を作成します。
定款は紙の定款か、電子定款を選べます。
紙の定款の場合は40,000円の収入印紙が必要になります。
電子定款の場合は収入印紙は不要ですが、代行手数料が5,000円かかります。(「freee会計」の年額契約で手数料無料にすることもできます。)
特別な事情がなければ電子定款がいいでしょう。
定款とは、会社設立時に決めた根本原則が記載されている書類です。
つまり会社の取り決め事項をまとめた書類のことです。
定款には、会社の名前(商号)、事業内容、住所、会社の指針など、といった会社の基本情報が記載されている必要があります。
- 電子定款の代行
電子定款を選ぶと電子定款を専門家に作成してもらう必要があります。
会社設立サービスと提携している行政書士が対応してくれます。
アンケートフォームに必要事項を記入すると、入力した会社の基本情報を元に電子定款の作成を始めてくれます。
電子定款の作成が完成すると、アンケートフォームに記入したメールアドレスに完成の連絡がきます。
- 定款の印刷
完成した定款を印刷します。
電子定款と言っても会社設立の際には紙の印刷が必要になるのです。
電子定款が完成すると完成品を案内ページからダウンロードできるようになります。
複数枚あるのでホッチキスで止めて、ページの間に個人実印で割印をします。
とじ方の説明PDFを案内ページで見られるので参考にしてください。
- 委任状
電子定款の完了時にあわせ委任状もダウンロードできるようになります。
委任状はこの後の手順の公証役場で提出する必要があるので、定款と合わせて印刷しましょう。
- 定款の場合は作成代行料金(5,000円)
- 紙の定款の場合は印紙代(40,000円)
4)-3 公証役場で認証の手続きをする
印刷した定款を公証役場で認証してもらいます。
会社住所の都道府県の公証役場に行きます。
案内ページで会社住所の最寄りの公証役場をマップ付きで案内してくれます。
窓口で印刷した定款、空のCD-R、委任状を渡すと手続きをしてくれます。
10分くらい待ったら名前が呼ばれます。
認証された定款と電子定款入りのCD-Rを受け取り、定款認証代金の52,000円を支払います。
電子定款入りのCD-Rは設立手続きには使わないので、大事に保管しておきましょう。
- 公証役場の事前予約
定款認証には事前予約が必要です。公証役場に電話して日にちと時間を予約しましょう。
- 印刷した定款
- 印刷した委任状
- 現金約52,000円(定款認証代金)
- 公証役場に行く人の本人確認書類
- 新しいCD-R(定款の電子データの受け取り用)
- 発起人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
- 発起人の個人実印(当日の修正がある場合に必要)
4)-4 登記書類の作成(印刷)
各種登記書類を印刷します。
各書類には会社の基本情報が反映されています。PDFをダウンロードして印刷します。
定款の時と同じく案内ページに各書類のとじ方説明のPDFがあるので参考にしてください。
印刷する書類の簡単な説明を記載しておきます。
- 登記申請書
会社を設立することを法務局に申請するための書類です。
- 登録免許税納付用台紙
法務局で購入する収入印紙を貼り付ける用紙です。
- 就任承諾書
「設立時取締役に就任することを承諾した」ということを証明する書類です。
- 発起人決議書
定款で会社住所を詳細まで記載していない場合などに必要になります。
- 払込を証する書面
資本金の払込みがあったことを証明する書面を作成します。
- OCR用紙
登記すべき事項を一覧にした書類です。
- 印鑑(改印)届書
法人実印の届け出をするための書類です。
マイクロ法人には不要な書類もあるようですが、念のため全部用意しましょう。
- 入金証明のコピー
入金を証明するコピーを用意します。
これは資本金の着金があった口座の明細書を用意してください。
他人からでも自分からでも資本金が入金されたことを証明できればいいのです。
マイクロ法人の場合は自分で管理している口座に振り込むか、または一度現金で引き出してから同じ口座に預け入れても大丈夫です。
パソコンの画面のスクリーンショットでも紙の通帳のコピーでもどちらでも大丈夫です。
ちなみに僕は入金した明細書を持っていってしまい、法務局の窓口で却下され、着金した口座の明細書を再提出しました。
- 出資金(資本金)
- 入金先の口座
4)-5 法務局に登記書類を提出する
定款を含めた各種登記書類を法務局に提出します。
会社住所によって管轄の法務局があります。
公証役場の手順と同じく、案内ページに会社住所の管轄の法務局をマップ付きで案内してくれます。
法務局に行く時は特に予約などは必要ありません。
各種書類を持って登記申請したい旨を窓口で伝えましょう。
印紙を販売している場所なども教えてもらえるでしょう。
所領時間は30分程度です。
全ての登記書類に問題がなければ、そのまま法務局に預けて手続き完了です。
数日から1週間くらいで、国税庁法人番号公表サイトに法人番号と共に会社情報が表示されます。
- 会社の設立日
法務局に登記書類を提出した日が会社の設立日になります。
法務局の営業日は平日なので休日に会社設立はできません。
大安や一粒万倍日など希望日がある場合はカレンダーを確認してから行きましょう。
- 会社設立サービスに設立日を登録する
設立が完了したら会社設立サービスに設立日を登録しましょう。
設立後の手続きに必要な各書類に反映されます。
- 定款の謄本(※CD-Rは自分の保管用)
- 印鑑証明書
- 入金証明のコピー(着金した口座の明細など)
- 各登記書類
- 現金:登録免許税(15万円)
- 法人印と発起人の個人実印(修正や押印漏れがある場合に必要)
これでマイクロ法人を設立できました。
おめでとうございます。
続いて以下から設立後の手順を説明します。
5) マイクロ法人設立の手順【設立後】
法人設立後にも届出が必要になります。
年金事務所への届出の期限が5日以内と短いのですが、登記書類が揃っていないと届出ができないので、相談すれば対応してくれます。
その他各所の届出の期限は長くても3ヶ月以内なので、登記できたらすぐに終わらしてしまった方が安心でしょう。
※労働基準監督署・ハローワークへの届出は代表1人のマイクロ法人には不要なので割愛します。
5)-1 もう一度法務局へ行く
印鑑カードと登記事項証明書を取りに再び法務局にいきます。
この2つは会社が設立していないと取得できないので、登記書類を提出した日の後日に取りに行きます。所要時間は数十分程度でしょう。
- 印鑑カード
会社の印鑑証明書を取得する際に必要になるカードです。
取得に際しては特に必要な持ち物はありません。
法務局でもらえる「印鑑カード交付申請書」に必要事項を記入して、窓口にて提出すれば発行してもらえます。
- 登記事項証明書
登記事項証明書は、登記の証明書の総称です。厳密には「全部事項証明書」を取得します。
「全部事項証明書」は、現在までの全ての登記の履歴が記載してあります。
実在する会社であることを証明する時に提出を求められます。
今後の各種手続きなどで必要になる事があります。
取得に際して必要な持ち物は特にありませんが、全部事項証明書1通につき600円の手数料が必要となります。
- 現金:全部事項証明書の手数料(600円)
5)-2 年金事務所に行く
厚生年金と健康保険の手続きのため年金事務所に行きます。
マイクロ法人を作るの大きなメリットの1つ、厚生年金と健康保険への切り替え手続きです。
いよいよ国民年金と国民健康保険とはおさらばできます。
今までと同様に案内ページで会社住所の管轄の年金事務所をマップ付きで案内してくれます。
各種書類は案内ページからダウンロード可能です。
わからない項目は空欄のままにして、当日に年金事務所の担当所員の方に教えてもらいながら完成するするといいと思います。
全部事項証明書と、訂正用に会社実印と個人実印も持っていくといいと思います。
所要時間は1時間くらいみておいた方がいいと思います。
- 役員報酬
「被保険者資格取得届」に役員報酬を記入する箇所があります。
ここの金額によって厚生年金と健康保険の料金が決まりますので、事前に額面を決めておきましょう。
月額4.5万円(年間54万円)だと、給料の控除(最低55万円)を受けられるのでおすすめです。
役員報酬について以下をご覧ください。
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 被保険者資格取得届
- 被扶養者(異動)届
- 全部事項証明書(原本)
- 法人印と発起人の個人実印(修正や押印漏れがある場合に必要)
5)-3 税務署に行く
税務署にも法人設立の届出が必要です。
今まで同様に案内ページで会社住所の管轄の税務署をマップ付きで案内してくれます。
この手順の各書類はあまり迷うような内容はないと思います。窓口での手続きも特になくただ提出するだけです。
税務署が混んでいなければ所要時間は5分程度です。
- 青色申告の承認申請
この手順でもっとも大事な点は青色申告の申請です。
この申請をする事で青色申告できるようになります。
申請期限が会社設立から3ヶ月以内なので忘れずに対応しましょう。
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
この申請をすると源泉徴収の報告が毎月一回から半年に一回に減らす事ができます。
- 法人設立届出書
- 青色申告の承認申請書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 定款のコピー
- 法人印と発起人の実印(修正や押印漏れがある場合に必要)
5)-4 都道府県事務所に行く
いよいよ最後の手続きです。都道府県事務所に届出をします。
今まで同様に案内ページで会社住所の管轄の都道府県事務所をマップ付きで案内してくれます。
この手順の各書類はあまり迷うような内容がないと思います。
税務署の時と同様に、窓口での手続きも特になくただ提出するだけです。
混んでなければ所要時間は5分程度です。
これで会社設立の手順が終了です。お疲れ様でした。
- 管轄の都道府県事務所
東京の場合は所定の一箇所だけでいいのですが、その他道府県では県税事務所の他に市役所などにも訪問しなけれはならないようです。案内ページをご参照ください。
- 法人設立届出書
- 全部事項証明書のコピー
- 定款のコピー
- 法人印と発起人の個人実印(修正や押印漏れがある場合に必要)
6) 税理士いらずの会社設立
会社設立サービスは1人で会社設立できるようにわかりやすい案内ページで手順を説明してくれます。
安心してマイクロ法人を作れるでしょう。
税理士に設立代行費用を支払うことを思えば、無料で利用できる会社設立サービスを使わない手はないと思います。
まだどの会社設立サービスにするか決めていない人は、各サービスの比較説明を用意しましたのでご覧ください。
私個人的には、自分が実際にマイクロ法人を作る時に利用した「freee会社設立」に一票を入れます。
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