結論から言うと、どちらがいいかは受託会社と自社事業会社の両方どちらも一度は勤めて判断した方がいいと思います。
なぜなら、どちらもシビアで厳しいところはあり、メリットに価値を感じるかは勤めてみないと判断はできないからです。
僕は6回の転職経験があります。また広告代理店出身でインハウス会社でもグロースハックを担当した経緯があります。
この記事では受託会社と自社事業会社のメリットとデメリットをそれぞれ解説いたします。
僕の経験に基づく解説となります。私見が混じってしまいますが、生の声なのでご参考になるかと思います。
1) 受託会社とは
受託会社とは、クライアントから発注を受けて制作・納品することで収益を得ている会社のことです。
制作会社や広告代理店のWeb部門などがこれに当たります。
基本的には納品ベースで仕事を受注します。Web関連の運用代行なども請け負うことがあるので固定費で対応することもあります。
クライアントや自社営業部門との提案や折衝が発生します。
Webディレクターは企画や提案といったスキルを求められます。
1)-1 受託会社のメリット
- 提案力が身に付く
基本的には、クラアントの要望を受けて要件定義を含め提案をする事になります。
コンペ案件などは勝率を上げるために提案の要素が大きくなるでしょう。
コンペに勝った時の提案書や、汎用性のある提案書など、テンプレートになる資料もたまってきます。
提案の必勝パターンが身についていくことでしょう。
- 納品するためのクロージングスキルが身に付く
会社によりますが、受託会社では納品ベースでの対応がメインです。
制作班を編成し、スケジュールを引き、完成度の高い納品を目指して進行管理します。
案件をこなした回数だけ、クロージングスキルが身につきます。
トラブルへの対処も迅速になり、さらにはトラブルを嗅ぎ取れてリスクヘッジができるようになります。
成果物を納品できるクロージングスキルが身に付くでしょう。
- 複数案件のさばき方が身に付く
一般的に制作会社や代理店のWebディレクターは複数の案件を受け持つ事になります。
Webディレクターはそれぞれの案件の進行管理を担当します。
メールさばき、クライアントとの折衝、営業部との折衝、制作班のケア、それぞれが案件ごとに発生し並行して対応します。
稀にアドリブでそれぞれをこなす人もいますが、基本的にタスク管理ツールで可視化して漏れなく機械的にこなす技術が必要になります。
頭をつかう提案などに体力をとって置けるように、極力管理ツールなどをうまく活用していく、という状況に慣れてきます。
- 折衝能力が高くなる
受託会社は新しい案件の対応頻度が多いです。
その都度関係者が変わります。大なり小なり毎回なんらかの折衝があります。
予算や見積もり、納期、クオリティなどをクライアントや制作班と話し合わなくてはなりません。
無駄なくドライに結論を話したり、話す相手の人間性を汲み取るなど、折衝するテクニックが自然と身につきます。
- 多種な実績を積みやすい
Webサイトの制作、システム開発、アプリ開発など会社にもよりますが、受注できる案件は積極的に対応するのが受託会社です。
技術的に対応経験の浅い案件などでも短い時間に勉強して、対応しなければならということもあります。
つまり広い範囲の経験を実務で覚える事になります。
- 多くの会社と関係を持てる
受託会社は安定した仕事の受注のために複数のクライアントと関係を持つことになります。
つまり受託会社のWebディレクターは複数のクライアントとお付き合いする必要があるのです。
担当者と良好な関係を気付くことは案件進行にとても重要です。
クオリティの高い納品やいい顧客対応をすると、クライアントから会社を越えてあなた自身を高く評価していただけることもあるでしょう。
1)-2 受託会社のデメリット
- クライアントや営業部門の影響力が強い
発注する側のクライアントからの影響力がどうしても強くなります。
さらに営業部門がある会社だと、仕事をとってくる営業マンの声は大きいものです。
最近はブラック企業も少なくなってきたり、下請法の影響も強くなってきたようなので昔ほど理不尽なことはなくなってきましたが、受託会社のパワーバランスとしてはクライアントや営業部門のほうが強くなりがちです。
- 納期が短い傾向がある
クライアントは高い目標を期内に達成するために、短い期間で成果を求めてくることが多いです。
つまり大抵のクライアントは短い納期での納品を要求してきます。
希望の納期を満たすことが事実上の発注条件といった案件もあります。
受託会社のWebディレクターは事故が起きないギリギリのスケジュールと向き合うことが多いです。
- 休みが取りづらく残業が多い
受託会社では納期が短いことが多いです。
Webディレクターは制作班などに依頼詳細を伝えなくてはならないので、自分が止まるとボトルネックになってその先が進まなくなってしまいます。
関係者からのプレッシャーが上から下から迫ってくるので、短い期間で多く稼働しなければならないという状況が続きがちです。
納品期日に近いと、残業が続いてしまったり、休みが取りずらいということがあります。
2) 自社事業会社とは
自社事業会社とは、自社が運営するメディアなどの管理・運営で収益を得ている会社のことです。
インハウス会社とも言われます。
特定のメディアなどを分析しグロースハックします。
成果を上げるために自分から施策を企画しグロースすることが求められます。
2)-1 自社事業会社のメリット
- 自社の制作班がある
外部の制作会社に依頼する会社もありますが、一般的には内製の制作班があります。
Webディレクターは制作班と連携して特定のメディアをグロースします。
内製なので見積もりを取る必要はありません。しっかりとした成果目的があれば制作班が稼働してくれます。
企画から導入までの手間や時間が少なくなります。
- 腰を据えてグロースハックできる
会社によっては複数のメディアを1人で担当することもありますが、基本的には特定のメディアの成長を目的として、腰を据えてグロースハックします。
Webディレクターは特定のメディア担当を一任されることが多いです。
- 新技術や仮説などを取り入れやすい
担当メディアの成果見込みがあるなら、基本的にはあらゆる手段を導入させてもらえるでしょう。
新技術や仮説なども成果の見込みがあるなら取りいれる許可をもらえるでしょう。
- 残業は少なめで休みも取りやすい
一般的にメディアグロースのミッションに終わりはないので、担当を外れるまでは成果を追い続けます。
つまりクロージングする必要がありません。
なので無理が少ないスケジュールを立てられます。
残業も少なく、有給も取りやすい会社が多いでしょう。
2)-2 自社事業会社のデメリット
- 社内政治の色が濃い
社内で業務を完結できる環境が揃っているので、部署内や他部署との関わりが濃くなります。
社内のパワーバランスを把握して、各部署の人々と接していかなくてはならないでしょう。
内側からも外側からも評価される状況が大なり小なりあるでしょう。
- 上司の影響力が強い
社内で業務が完結するので自分を評価する上司の存在が大きくなります。
期待行動を満たしているかなどの評価も上司の影響力が強くなります。
価値観や働き方に共感をもてる上司なら評価に納得感もありますが、かみ合わない上司だと評価も低くなってしまい辛いでしょう。
- 内製からプレッシャーがある
内製の制作班と連携を取る際に、依頼内容の妥当性を厳しめに判断されます。
本当に必要な依頼なのかという観点です。
内製の制作班もメディアの成果が自分の評価になります。
成果に繋がらない依頼は基本的にはやりたくないのです。
こういう観点から、Webディレクターの指示出しは制作班からも事実的に評価されるのです。
3) どちらか1つだけだと判断がむずかしい
Webディレクターにとって、受託会社と自社事業会社どちらにもメリットもありますが、シビアで厳しいところもあります。
自分にあっていて働きやすいかは、自分でしか判断できないものです。
僕は受託会社と自社事業会社の両方を経験し、結果的に現在フリーランスをしています。
どちらか1つだけの経験だと自分にあった働き方を見出すことはできなかったと思います。
今の会社に不満があって、受託会社か自社事業会社に価値を感じるなら、一度試してみた方がいいと思います。
以下でおすすめの転職エージェントをご紹介します。
選考の可能性を高くするために複数のエージェントに登録するといいと思います。
まずアクションを起こすことであたらしい環境が開かれると思います。
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